我々は、マイクロメッシュ細胞培養法なる新規な細胞培養法を開発した。本培養法は、細胞基板間接着ではなく、細胞間接着で維持された細胞形態が特長である。これにより、1)細胞間接着で維持された細胞シート作製、2)細胞の配向制御、3)ヒトiPS細胞から栄養膜細胞への分化誘導など、これまでにない細胞機能亢進が確認されている。本大会では、マイクロメッシュ培養の3D細胞培養への応用展開等につき紹介する。 【アブストラクト】
食物への感情反応は、食品開発に有用な情報をもたらす。主観評定がよく利用されるが、バイアスを受けうるため客観的な指標が望まれる。この問題を検討するため、食物画像を観察中の主観感情評定(好き・食べたい・感情価等)および表情筋筋電図(皺眉筋・大頬骨筋等)を計測した。好き・食べたい・感情価の評定と大頬骨筋の活動の間に正の関係が示された。表情筋筋電図により食物への感情反応をセンシングできることが示唆される。 【アブストラクト】
2016年度に名古屋大を中心として産学共創プラットフォーム共同研究推進プログラム(OPERA)として採択された「人と知能機械との協奏メカニズム解明と協奏価値に基づく新しい社会システムを構築するための基盤技術の創出」では知能機械と人が協調する枠組みであるHarmowareを構築し,その上でサービスの実証を狙っている。今回はその1つである自動運転の社会実装のための評価プラットフォームについて概説する。 【アブストラクト】
モンテカルロ法を用いてOTFTのばらつきを考慮した論理回路設計を行った。p型有機半導体を用いたドロップキャスティング法によりOTFTを作製した。OTFT電気測定データから最小二乗法を用いてOTFTのパラメータ抽出及びモデリングを行った。移動度ばらつきの範囲が±11%以内であれば4ビットシフトレジスタが正常に動作できることが分かった。 【アブストラクト】
【アブストラクト】
疾患検査を目的としたリキッドバイオプシーでは体液を循環している細胞や核酸がその検出対象となり、特にmicroRNAが注目されている。本研究では、疾病関連microRNAに対して等温核酸増幅法により核酸の増幅と検出を同時に行う小型pHセンサの開発を行った。非標識でサーマルサイクラーや光学検出系が不要である本方式は小型化に有利であり、大病院だけでなく患者宅においても簡便で気軽な疾病検査プラットフォームを提供することが期待される。 【アブストラクト】
生体内環境を細胞培養と脱細胞化技術と呼ばれる技術を用いて模倣した生体材料の作製とその応用の可能性について紹介する。 【アブストラクト】
制がん剤の効果を最大限に引き出しながら副作用を最小限に抑えるために、がんを標的とする薬物送達システム(DDS)の開発が期待されている。高分子ミセルは、コアに様々な薬物を内包できるうえ、血中を長時間循環しながらがん組織に対して選択的に集まる性質を有するため、がんを標的とするDDSとして利用できる。本研究では、白金制がん剤内包高分子ミセルの最適化によるがん治療効果の向上について発表する。 【アブストラクト】
抗がん剤の正常臓器への分布を抑えて、腫瘍集積性を向上させることで、副作用は軽減され、治療効果は増強すると考える。低分子薬剤をナノ粒子に内包したり、抗体に付加するなどの戦略が、抗がん剤の生体内での動態を制御するために用いられている。本講演では、我々が取り組んでいる抗がん剤内包ミセルの外殻に抗体を付加したイムノミセルの開発研究について報告する。 【アブストラクト】
タンパク質フォールディングは、タンパク質の機能発現に必要不可欠なプロセスである。中でも、ジスルフィド結合形成を伴う酸化的フォールディングは、近年医薬品としても注目を集める抗体の機能発現に関わる。従って、その促進技術は、タンパク質が関連する幅広い学術、産業面で重要である。この酸化的タンパク質フォールディングを促進する低分子の開発について発表する。 【アブストラクト】
空間充填木と呼ばれるフラクタル構造を用いて基板表面の濡れ性を微細にパターニングすることで、表面の水滴を中央の一箇所に効率的に収集するフィルムを開発した。微量の生体試料などを集積することにより、高効率な試料分析に応用可能であると期待される。 【アブストラクト】
常在細菌叢と宿主の関係については多くの研究がなされている。一方、腸内には細菌のみならず、多様な真菌が存在し、種々の疾患と関与していることが知られているにもかかわらず、真菌叢解析用のデータベースや解析手法が不十分であり、真菌叢が宿主に及ぼす影響についての理解は進んでいない。そこで今回、真菌叢解析用データベースを構築するとともに、新たな真菌叢解析手法を構築し、腸内真菌叢解析に展開した。 【アブストラクト】
人生100 年時代に各人の潜在的な能力を引き出し、個々人が自立しながらも他者との絆を感じ、活気ある社会を維持するためには、脳機能の理解の革新的な進歩を必要とする。そこで本連携研究では、これまでツールがなくアプローチの難しかった脳内の細胞間化学コミュニケーションを動的に可視化できる顕微鏡を開発し、脳科学での利用を目指している。本発表では、これまでの各拠点の取組みを紹介する。 【アブストラクト】
【アブストラクト】
岩木健康増進プロジェクトによる健康診断データを使用し、各種疾患の3年以内の新規発症の予測モデルを作成した。13年分のデータから、社会背景、生活習慣、各種計測値等の計5319項目を使用し、糖尿病、高血圧症、慢性腎臓病等の計20疾患の新規発症を予測対象とした。予測モデルはAUROC値で0.7?0.9程度の性能が見られ、本データセットおよび機械学習技術による疾患発症予測が可能であることが示された。 【アブストラクト】
【アブストラクト】
閉塞性睡眠時無呼吸症候群の有病率は非常に高く、脳・心血管疾患など重大疾患のリスクを増大させる。弊社は京都大学大学院医学研究科陳和夫特定教授、濱田哲特定助教と共同研究を進め、睡眠時無呼吸症候群の診断基準である無呼吸低呼吸指数(AHI)を、音声データを用いて推定する手法を開発した。PSG検査で得られたAHIと推定AHIとの相関が0.73であり、特に低AHIの症例に対して高い推定精度が認められた。 【アブストラクト】
近年、現実の対人交流場面を、実験室内でできるだけ再現しようとする研究が注目を集めている。脳画像研究において、非侵襲性と高い時間分解能をもつ脳磁図(MEG)は、特に幼児や自閉症スペクトラム者へのNatural settingな研究において有用なデバイスとなる可能性が高い。同一シールドルーム内に2台のMEGを配置した、小児・成人用MEG同時計測システムを用いて、親子が見つめ合っている状態の脳機能を計測した。 【アブストラクト】
心臓サルコイドーシス(CS)の診断、活動性評価にFDG-PETが有用であるが、事前準備の長時間絶食は大きな患者負担となる。我々は過去にCS病変に低酸素イメージング剤であるFMISOが集積した症例を報告した。FMISOは心筋に生理的には集積しないため、特別な前処置は必要ないと考えられる。そこでFMISO-PETによるサルコイドーシス診断能および低酸素領域の検討を行った。 【アブストラクト】
iPhoneアプリを運用し、ドライアイ(DED)と歩数の関連を検討した。2016年11月から2018年1月にOcular Surface Disease Index (OSDI)ならびに1日の歩数計測を許可した1,786人を対象とした。OSDI 13点以上をDED症状ありとした。歩数はbasal activity:0-2499、limited activity:2500-4999、low active:5000-7499、somewhat active:7500-9999、active:≧10000の5群に分けた。DEDに対する歩数の調整後オッズ比 (95%CI)は、basal activity群と比較して、limited activity群:1.10(0.81-1.49)、low active群:0.90(0.65-1.26)、somewhat active群:0.92(0.63-1.35)、active群:0.63(0.44-0.90)だった。本研究から歩行などの身体的活動とDEDの症状が関連する可能性が示唆された。 【アブストラクト】
東大COI拠点では、AIを活用したリスク予測モデルで、健診データから将来病気になるリスクを算出し、健康を「自分ごと化」しながら生活習慣を改善することができるアプリケーションを開発している。ウェアラブルデバイスとのデータ連携もしており、睡眠・ストレス等多角的なデータの解析結果も盛り込む予定である。今回は、アプリの概要と、社会実装に向け昨年度から実施してきている企業・市町村をフィールドとした実証の内容を紹介する。 【アブストラクト】
生体情報計測は安静状態での計測が必須の条件となっているが、計測時の環境が与える計測結果への悪影響は不可避なものとして黙認されている。装着感の小さい接触型センサを開発し、衣服型デバイスとして統合し、これまで同時に計測することができなかった生体情報(脈拍・心電図・体温分布・体動)を得ることが可能となるスマートテキスタイルの開発を行う。 【アブストラクト】
指先のお洒落を楽しむアイテムとして広く認知されている付け爪(ジェルネイル)を応用する事で、生活環境下において常時装着可能なウェアラブルデバイスが実現できる。本技術は、爪に生じる心拍由来の微小なひずみを、爪表面の圧電フィルムにより電気信号に変換するもので、センサ素子への電力供給が不要である。これにより付け爪型ウェアラブルデバイスが有する大きさや省電力化の課題を解決し、実用化に繋げる事を目指している。 【アブストラクト】
精神的ストレスの簡便な測定が健康快活の維持に向けて重要となることから、電界効果トランジスタを用いたバイオセンサの作製を試みた。ストレスマーカーを特異的に捕捉するレクチンまたは核酸分子を受容体とし、2種類のセンサ界面を構築した。更に、測定データの迅速な共有により、ビックデータ・AI解析を利用した健康状態のさりげない把握が期待されることから、無線通信を利用したモニタリングシステムを検討した。 【アブストラクト】
パラリンピックの陸上競技において、L字様のCFRP義足がよく用いられている。これは、装着者の体重によって変形したCFRPの復元力を推進力として活用した事例である。我々は、このCFRPのバネ性を下肢運動の支援に適用できないかと考え、厚さの異なる3本のバネを有した歩行支援装具を開発した。トレッドミル上での歩行試験から、歩幅が13%有意に増加することがわかった。これは、股関節支援の電動装具に匹敵する効果である。 【アブストラクト】
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北海道産の大豆を原料として、大豆タンパク質発酵食品を開発する。豆乳中の大豆タンパク質を凝固させる新規な微生物を探索し、効率よく良好な食感を有する製造技術を開発する。発酵時にセンサーにて発酵条件や温度、脱ホエー(脱水)条件などをリアルタイムにモニターしつつ発酵プロセスを制御し最適化する技術を開発する。豆乳凝固性微生物を北大COI拠点の地域資源から探索し、持続可能な食と健康の実現を目指す。 【アブストラクト】
近年、生体認証が爆発的に普及しており、その中でも指紋センサはデバイスを薄化できるので、スマートフォンやクレジットカードなど、あらゆるものに搭載されつつある。しかしその安全性は決して高くはなく、写真などから容易に偽造できてしまう。そこで我々は、超音波を用いて、指紋だけでなく、さらに奥深くの動静脈パターンも読み取る画期的な複合生体認証デバイスを開発している。これにより、高セキュア社会の実現に貢献する。 【アブストラクト】
エッジ側で高品質なセンシング情報を生成するエッジヘビーセンシングを提唱している。対象物と接触する界面に、センサ、信号処理、伝送処理などを一体化した極微小の集積化デバイスを配置し、高精度なセンシング、効率的なデータ処理、省配線での信号伝送などを可能とする。MEMSとLSIのH/W技術とAPIなどのS/W技術が実現の鍵となる。応用例は物流、介護、食品、医療、農業、漁業、エンタメ、スポーツなどである。 【アブストラクト】
Algorithmic Coutureは、一人一人の身体にフィットした服づくりを廃棄物ゼロを目指す衣服生産システ厶。3Dスキャンなどの技術によって、人の身体形状にフィットするパターンを作成し、アルゴリズム技術で生地の残布ゼロのパターンメイキングを行うことができる。さらに、着用者の好みに応じたマスカスタマイゼーションを前提としたウェブプラットフォームと連動することにより、ユーザーはWEB上で型紙ごとにデザイン・素材・色などを自由に選ぶことができる。 【アブストラクト】
本研究では、これまで山形大学が電子デバイス向けに開発してきた銀ナノ粒子のインク化技術や微細配線形成の印刷プロセス技術を、京都大学が有している光熱流体駆動技術を使った流路形成や蛍光・ラマン散乱光増幅による温度や生体物質のセンシングを行う新しい光デバイスに応用することを目的としている。 【アブストラクト】
信州大学が世界を先導するフラックス法を用いると、特定の機能を高めた無機結晶材料[信大クリスタル]を育成することができます。しかし、信大クリスタルの結晶育成条件(レシピ)を定めるには多くの労力が必要です。AIを用いてレシピ設定を加速できれば、信大クリスタルの持つ特性を各々の用途に最適化し、これまでにないソリューションを提案できます。AI化により切り開かれる新たな材料実装の展望について紹介します。 【アブストラクト】
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Renewable resources can provide a sustainable platform to substitute petroleum-based polymers through the design of bio-based polymers with a positive environmental impact. Aromatic polybenzimidazoles (PBI) are considered as high- performance plastics due to their outstanding thermal and mechanical stabilities owing to strong π- π stacking interaction among aromatic and imidazole rings, and H- bonding between N- H and N of the imidazole ring. High- performance bio- PBIs were obtained using renewable starting material 3- amino- 4- hydroxybenzoic acid (3, 4- AHBA) derived from Streptomyces sp. Copolymer polybenzimidazole /polyamide (PBI /PA) was prepared. using 4- aminobenzoic acid (PABA) which has high environmental occurrence, and they were characterized and compared with respect to bio- PBIs. Polybenzimidazoles with polyamide unit incorporated inside show better solubility and processability as compared with the homopolymer ABPBI. Thermal degradation stability of all PBI /PA copolymer was measured in inert and air atmosphere; unexpectedly all of them show very high thermal stability. One of these compounds (PBI /PA 85 /15) shows ultrahigh values of 10 % weight loss temp. (Td10) , 743°C at max in N2 and 689°C at max in air. The PBI /PA films were cast over trifluoroacetic acid (TFA) solution on a glass plate. Mechanical properties for all those compounds were measured as the tensile strength of 90 MPa and Young's modulus of 7.7 GPa at maximum. All the PBI /PAs consisted of high crystallinity 41 % at max. These values are as high as some of the metal oxides and being organic material with high thermal stability. Thus, the PBI /PA would be hopefully applied as organic-inorganic hybrid materials because of its ultrahigh heat resistance and chemical resistance properties. 【アブストラクト】
We present a spray-coated GO membrane where salt rejection can reach up to 90% with excellent protein anti-fouling. When adding few-layered graphene there was an increased resistance against chlorine. 【アブストラクト】
細胞膜は脂質二分子膜を基本骨格とし、細胞内の恒常性を維持している。脂質二分子膜自体は物質透過性が低いが、特異な分子認識能を有するタンパク質により、シグナル伝達や選択的な物質透過などを実現している。こうした生体膜の機能を利用・模倣し、目的の物質を検出、あるいは分離する、センサー、分離膜などへ応用する試みがされている。本発表では、生体膜の物質透過機構を利用した水処理膜(逆浸透膜)の研究成果を紹介する。 【アブストラクト】
電気二重層キャパシタ(EDLC)用電解液としてはこれまで有機系と水系の二つが主に検討されてきた。有機系EDLCは電位窓が広く、作動電圧が高いという利点を有するが、出力密度が低いことや可燃性であるなどの欠点も有している。対して、水系EDLCは出力密度が高く、不燃性であるなどの利点を有するが、電位窓が狭いという欠点がある。そこで、本研究ではFSA塩などの濃厚水系電解液のEDLC用電解液としての特性を検討することを目的とした。 【アブストラクト】
繊維強化樹脂複合材料より優れた補強効率を示すフレーク粒子強化複合材料の長所、作製方法、特性、課題について説明する。 【アブストラクト】
耐火性能は、対象分野によって目的が大きく異なるため、当該分野におけるクライテリアを明確にして研究・開発を遂行する必要がある。異分野の研究者が一つ屋根の下に集い研究開発に取り組むICCでは、研究者間でのディスカッションが活発であり、そのような環境を活かして、様々な分野における耐火性能の評価方法を収集することができた。その中で、建築分野におけるFRP部材の耐火性能の考え方について明らかになったことを報告する。 【アブストラクト】
ヒト・カネ・モノ・情報が「都会」に集中している現代の社会構造に対して、エネルギー・食資源のある「地域」にそれらを分散させ、都会にかかる負荷の解消、地域資源の活用のできる社会にしたいと思っており、そのきっかけ作りとして、「温泉」に着目しております。「温泉湧く湧く x 知的好奇心のワクワク x 仕事のワーク」これらを掛け合わせることで、新しい価値を生み出そう! 【アブストラクト】
【アブストラクト】
モビリティの持続可能性のために、地域の市民が単なるサービスの受け手ではなく主体となってモビリティを「育てる」こと、つまりデザイン、製造、運営への住民参加が必要であると考える。また今後はセンシング技術の発展に伴ってモビリティ利用のデータが取得できるようになるが、このデータを市民主体のモビリティのデザインにフィードバックさせる手法が問われる。本研究は地域の公共交通を対象として、地域住民による参加型のワークショップによるデザインを行うとともに、それを支援する情報技術を開発する。 【アブストラクト】
時間・空間芸術であるダンスの現場では、ダンサーは表現者としての感性や感覚、個性を含んだ表現力だけではなく、目指す表現を実現することのできるテクニック、特に身体への意識と理解を養うことが重要となる。また、空間の中での身体と地面との関わりあい、重力等を意識、利用する。それらとともに身体の可能性や面白さを追求し、他者とのコミュニケーションを楽しんでいることを、ダンス理論・実践研究を行う発表者が紹介する。 【アブストラクト】
本研究では、初めて目にする無意味な物体を触り、それを所有するイメージを作ることで、その物体の価値が向上するかどうかを調べた。どんなイメージを作りやすいかという傾向で群分けして分析したところ、構造や空間配置のイメージを作るのが苦手な群でのみ、価値が向上していた。この群では、触ることで物体の空間情報が把握され、空間イメージの生成が補償された結果、所有のイメージが鮮明になり、価値も向上したと考えられる。 【アブストラクト】
研究開発成果の社会実装において、製品・サービスが人や社会にもたらす効果・影響と、人や社会による製品・サービスの受容・選択とは、両輪のようなものではないだろうか。また、これらを検討するにあたっては自然科学系と人文・社会科学系との連携が必要だと考えられる。今回は、名古屋大学COIにおける効果検証や受容性評価の取組みについて紹介することで、このような取り組みや連携をめぐる課題などについて、議論したい。 【アブストラクト】
オープンイノベーションの実現により研究成果の戦略的な社会実装を促進するためには、異分野の組織間連携を促進するための理論を構築し、実践への橋渡しを行うことが要求される。本講演では、最先端研究開発支援プログラム(FIRSTプログラム)において知的財産創出の面で顕著な成果を上げていたNanoBioFIRSTプロジェクトを対象として、ネットワーク構造に着目した分析の結果及び得られた洞察について発表する。 【アブストラクト】
企業側から見るイノベーションは多くの考察があり、体系化されてきた。一方で、自治体を主体とした産学官連携によるイノベーション創出については、非市場経済・法律や条例から論じられにくい。しかし、産学官連携が注目される中で行政観点のイノベーション創出を研究しないことには、これから盛んになっていく産学官連携を本当の意味で達成することは不可能である。地域発展、産学官連携の活性のため、本研究の必要性を訴える。 【アブストラクト】
特許庁、工業所有権情報・研修館(INPIT)は、我が国のイノベーションの促進に寄与することを目的に、公的資金が投入された革新的な成果が期待される研究開発プロジェクトを推進する研究開発機関(大学)等に対し、知的財産マネジメントの専門家である知的財産プロデューサーを派遣し、当該研究開発プロジェクトの研究の初期段階より知財の視点から成果の活用を見据えた戦略の策定や研究開発プロジェクトの知的財産マネジメント等を支援する事業を実施している。北大、広島大、金沢工大、阪大、弘大のCOIプロジェクトに派遣され、成果を上げている。 【アブストラクト】
【アブストラクト】
細胞膜表面に機能性分子を修飾することにより、細胞に新しい機能を付加することができる。我々は、特定の分子と結合するリガンド分子を人工的に細胞膜に修飾して、そのリガンド分子の特異的結合により特定の細胞と選択的に接着を向上させることができた。本法は、血液中に投与された細胞を標的組織へ送達し、治療効果の向上に繋がることが期待できる。 【アブストラクト】
ミトコンドリアは細胞質に存在する細胞内小器官であり、エネルギー産生や鉄代謝など様々な機能を有している。近年、ミトコンドリアから運動等の代謝的ストレスによって様々な生理活性を有するペプチドが分泌されることが明らかになった。私たちはこのミトコンドリアから分泌されるペプチドについてその生理的な機能について検証を進めている。今回の講演ではその成果の一部について報告する。 【アブストラクト】
近年、細菌の多剤耐性化が問題視されており、将来、耐性菌感染症が人類の主要な死因になることが危惧されている。細菌の薬剤耐性化機構の一つに薬剤排出ポンプがあり、本研究では、緑膿菌ポンプMexBの特定アミノ酸を変化させることで、阻害剤ABI-PPが全く効かなくなることを明らかにした。一方、他のポンプでは効果のある変異箇所は異なっており、阻害剤結合においては、阻害剤結合部位全体の構造・空間が重要であることが明らかとなった。 【アブストラクト】
治療関連骨髄系腫瘍(t-MNs)は抗癌剤治療の稀な合併症だが、ゲノム変異の知見は限られている。我々は15例のt-MNs検体を用いて、次世代シーケンスでドライバー変異を同定し、7例で骨髄と血清を用いて、診断までのクローン進化動態を調べた。その結果、1)前t-MNsクローンの存在(n=2)、2)抗癌剤治療(n=4)やG-CSFなどの支持療法(n=1)による選択圧がクローン拡大に寄与する事を見出した。 【アブストラクト】
頚部脊髄症や頚髄損傷は、健康寿命に必要な移動能力を著しく低下させるため、重症化の予防と早期治療介入が重要である。弘前大学は平均寿命の向上を目的に10年を超える地域住民健康プロジェクトを行ってきた。本研究では、本プロジェクト参加者を対象として、頚部脊髄症発症に関連する因子分析、頚椎変性進行に関連する身体機能的特徴およびバイオマーカーの探索、転倒の実態調査とリスク分析を行い、包括的な頚部脊髄症の重症化予防法を確立する。 【アブストラクト】
近年、口腔環境は齲歯や歯周病のみならず、全身の健康に深い関連があることが報告されており、その重要性は高まっている。一方、考古学や人類学では、遺跡出土人骨の歯石や微生物叢の分析、骨の古病理学的検討から、古代人の生活誌復元の成果をあげている。これら異分野の研究を比較解析することにより、口腔保健および全身の疾患の予兆発見、予防法の開発を目標とする本研究の概要を報告する。 【アブストラクト】
近年、非定型うつ病(いわゆる、新型うつ病)と診断されるうつ病患者が増えている。非定型うつ病患者は、過食や過眠を示し、慢性化によって生活習慣病の発症リスクとなる。非定型うつ病を未病の状態から予見することが出来れば、うつ病及び生活習慣病の発症予防に繋がる。本講演では、未病の抑うつ傾向から非定型うつ病を早期に予見するバイオマーカーの探索とその有用性について検討を進めている我々の研究について紹介したい。 【アブストラクト】
わが国では、健康寿命の延伸が叫ばれており、疾病予防などの施策が考えられている。また、医療と情報科学を融合させたヘルスケアデータの活用が期待されており、機械学習による疾患のリスク予測などの研究も活発である。一方で、機械学習を用いた疾病予防に向けた介入はできていない。本研究では、健診ビックデータの解析により、機械学習モデルに基づく説明変数の制御方法を明らかにし、発症の可能性を下げる介入方法を検討した。 【アブストラクト】
働き盛り世代は運動実践や食事療法が健康に好効果を及ぼすことを分かっていても、勤務環境や家庭の事情でその実践が困難である。また、早朝や夜遅く帰宅してからの運動実践や食事療法、休日に時間を割いての運動実践や食事療法は、多忙な現代人にとって容易ではないため、忙しい現代人の行動変容プログラム提案に向けた研究が必要であるため、新たな行動変容プログラムを提案し、健康とビューティイメージに及ぼす影響を検討することにした。 【アブストラクト】
歩行速度や握力などの身体機能指標は、高齢者における身体機能の評価のみでなく、将来の転倒や要介護状態の発生、死亡といった健康状態を予測する指標としても用いられる。本発表では、高齢者の健康状態を把握するための基準として、地域在住日本人高齢者における身体機能指標の参照値および標準化について紹介する。更に、「岩木健康増進プロジェクト・プロジェクト健診」に参加した高齢者の、身体機能指標についての分析結果を示す。 【アブストラクト】
近年、日本では出生体重2500g未満の児(低出生体重児)の割合が約10%と高くなっている。明らかな障害をもたない児でも、就学後や青年期に学習障害や注意欠陥多動症などの発達障害の特徴、精神疾患等のリスクが高いことが指摘されてきている。本研究では、低出生体重児の就学前段階において、聴知覚の特性を幼児用脳磁計(MEG)を用いて、脳機能の面から客観的に評価し、臨床的な言語発達との関連について明らかにすることを目的とした。 【アブストラクト】
エチオピア産の地下足袋をめぐり、人類学・工学・医学・芸術・経営学の各専門家が、己の楽器をもちいて、実践的に調査をする協奏によって、あらたな地下足袋文化と学際研究が創造されていく、研究チームの構成のプロセスともくろみを紹介する。 【アブストラクト】
生活機能の大きな要素である運動機能について、「介護予防のための基本チェックリスト」で転倒経験や転倒への不安を含めて評価している。転倒は、立位の姿勢やバランス能力との関係が指摘されいる。その立位姿勢で身体が接地する唯一の接地面は足裏である。そこで、地域在宅高齢者に対して、足底接地面の状態を評価し、運動機能および転倒経験との関連について検討した。 【アブストラクト】
近年、足趾障害の一つとして「浮き趾」が注目されている。浮き趾とは立位時や歩行時に足趾の一部あるいは全部が接地していない症状であり、幼児から高齢者まで幅広い年代でみられる。小学高学年女子で習慣的に運動している群(40名)と非運動習慣群(40名)の測定値を比較した結果、両群には浮き趾の有症率に有意差が認められた。加えて、足部の荷重部位にも両群では相違が見られた。 【アブストラクト】
本研究は誰もが高いQOLを実感し、安心して健康に過ごすことができる社会の実現を目的に、申請者らが世界で初めて発見した活性型転移因子“mPing (miniature Ping)”を活用してイネ種子中タンパク質含量を向上させ、畜産・水産物に代わる新たなタンパク源創出の可能性を問うものである。 【アブストラクト】
優れた芸術作品を世に出す人も少なくない自閉症スペクトラムの特性のある人(ASD)を対象とし、特性に応じたアートワークショップの試みと、これによる効果を心理学的指標を用いて検証すると同時に、神経ペプチドの唾液濃度変化を測定し効果指標としての確立を目指す。 【アブストラクト】
感性を考慮した制御系の一つとして、カスケード制御系があり、その有効性は数値例において検証されている。その構造として、内側ループの制御対象は機器としており、外側ループでは感性を対象としている。本研究では、制御対象機器を線形システムと捉えるのに対し、感性反応をウェーバー・フェヒナーの法則に基づく非線形なシステムとして捉える。また、シミュレーションを用いて、油圧ショベルのバケットの動きに着目した感性メータの有効性について検証する。 【アブストラクト】
複数の人々が相互作用する種々の活動を評価し改善を支援する手法の開発に向けて、脳活動および身体運動ほか非言語情報の集団センシングを組み合わせ、集団インタラクション評価への有効性を示してきた。さらにその技術を、教育をはじめとするコミュニケーション現場に適用するとともに、創造性を要する集団インタラクションへの展開も行っている。本発表ではこれらの取り組みについて紹介したい。 【アブストラクト】
本研究では、山形大学内で唯一1年以上という長期にわたって行われている、技術的な問題でいままで数値化することが難しかった人・物の行動を数値化するためのデータ収集システムとそのプラットフォームについて、システムの設計・試作と運用に関する様々な知見について紹介する。 【アブストラクト】
我々はメールやPCといったデジタル技術に囲まれた労働・生活環境の中で暮らしているが、デジタル化した環境は、非常に便利である一方で、人間が情報システムに合わせることを余儀なくされ、ストレス要因となっていることが多い。そこで、我々は工学・科学に限定せず、「美しさ」「わくわく感」などの、数値化しにくい感情を生む芸術表現と作品制作を用いることにより、近未来におけるデジタル社会の幸福の実現に貢献する。 【アブストラクト】